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■北アルプス・北又谷
■2004年8月26日〜28日
■梁瀬・河野・一本松・藤田・中村・榎本
北アルプス北又谷は噂通りの秀渓。味わう感性と生活技術を磨いて、よく晴れた日に入渓したい。
大津岳士会のクライマーといつもの中村さんと私の総勢6名の大所帯で北又谷に赴いた。小川温泉で1時間程度仮眠を取った後、入渓準備をしていると静岡からの3人パーティーと言葉を交わす。どうやら全く同じルートらしい。さすが日本を代表するメジャールートだ。全く同じコースを同時入渓というのは初めて。岩魚を期待していただけに先行されるのはチト痛い。
予約したジャンボタクシー
彼らを見送ったあと30分後に予約していたジャンボタクシーに乗り込む。越道峠からの道は記念碑裏に細々とあるが、すぐに切り開きとなった見事な道になる。そこで読図もせずに道に導かれているとひどい目にあった。途中急にロストをしてしまう。ヤブを漕いで木の登ったりしてようやく踏み跡発見。
だんだんヤブっぽくなる
尾根を外れるところのコルまでは小川温泉側を注意深く見たい。ご丁寧に下降路のルンゼも見落とし時間のロス。
北又谷目指して最後のルンゼを下る
30mあまりのフィックスロープを伝うが後はガレガレのよくないルンゼを落石を起こしながら下る。ようやくあの魚止めに着く。これを見なければ北又に来た気はしない。入渓した北又谷は旧魚止の滝でいきなり迎えてくれる。調子のでない人はここで圧倒され、渓に受け身となり、大釜で言葉をなくすはず。水の質が違う。とにかく冷たく重い。魚止の滝は左岸を水流近くから左上トラバース。
旧魚止めの滝
その上部は右へ左へとトラバースを繰り返して進んでいく。まもなく大釜。
大釜
意外にも大釜は手前が埋まっていた。右岸奥に回り込み、落ち込み右岸のリッジ左の入り江に張り付こうとおロープをつけて進むも、読んだ記録とは裏腹にとても取り付ける状態ではなく水底から噴出する上昇流で押し戻される。2度のトライで歯の根が合わない震えに襲われた。
2度目のトライ
その間に同行の梁瀬が見事にリッジに取り付き、突破。
やなっち、行け〜
一歩間違えると瀑流に持って行かれそう
その後再び恵振谷出合の又右衛門滝で大休止を取る間に私が左岸に取り付く。エイやっと水面から飛びついて取り付き、ワンステップ上がる。後続を考え、スカイフックでアブミを掛ける。左にあるステップに左足で乗り込み、踏み換えようとした瞬間にドポン!それを見ていたクライマーのやなっちがじりじりとステップを稼ぐもあと一歩の所でドポン。最後は美味しいところ取りのフジッコがフリーで突破。フィジカルグレードの差をまざまざと感じさせられた。たっぷり時間をかけたおかげで既に14時を回っていた。
又右衛門滝
ドポン寸前
行けるか、やなっち?!
空飛ぶやなっち
行ったぞ、フジッコ!!
ここからもなお北又の狭隘が待っていた。泳いで、跳んで、飛び込んで、を繰り返すうちに時間は17時を回る。当てにしていたテン場は見る影もなくガレに埋まっていて、パーティーを不安感が漂い始める。まあ行動不能になるまでは2時間ある。腹をくくれば何とかなるモンと考えていたが、アホな沢ヤの脳天気ぶりはメンバーに表せない。若干強ばった顔も見える。長さ10mの狭い奔流直水路を飛び込みで左岸から右岸に渡ると突如ザイルが不要になった。
すばらしいゴルジュが始まる又右衛門滝上部


直線水路突破
後は、テン場にありつくだけだ。歩みを進めるうちにちょっと小さめではあるが一夜は過ごせそうなテン場を発見。荷物を置き、上部偵察に行こうとすると淵に岩魚がウヨウヨいるではないか。あわてて抜き足で戻り、竿を携える。尺には至らないが良型を手中に。これで遡行中のものを含めて2匹に。6人分には足らないがないよりはまし。さらに上部に6人が寝られる薪もたくさんある河原を発見。これ以上ないテン場だ。18時も回ったが完全遡行ができたことをかみしめて岩魚の貧果は我慢しようと言い聞かせる。幕営準備をしていると頼みのフジッコがさらに3匹の岩魚をゲット。刺身に、天ぷらに、骨せんべいにと夕餉を引き立ててくれた。就寝前に雨が落ちてきて文字通り水を差された。雨男(女)は誰だ!タープに逃げ込んで就寝。贅沢にもタープ下に張ったツエルトは暖かかった。
何とかテン場を
翌朝晴れ。7:30過ぎ発。
朝イチの泳ぎ
中瀞を行く
まもなく出会った長持淵に朝日が差し込み北又谷が一層華やぐ。その後は大した難場もなく進むがやはり北又谷。減水したとはいえ、気を抜くと持っていかれる渡渉が随所に出てくる。三段滝は左岸をショルダーで取り付き、後続用のお助けアブミハーケン3枚を打って一段目を抜けた。2段目は砂利で埋まっていたが一人でルート工作をするには不安な反転上昇流の渦巻く淵。スカイフックをかけてアブミの渋い登りで右岸バンドに上がってトラバース。後続を強引に引き上げる。3段目は右岸を難なく乗っ越す。白金CSは素直に左岸を巻き、漏斗谷出合。
白金滝
三段滝の一段目
二段目
釣りタイムとして大休止。残念ながら釣果なし。どうも今回は午前中は分が悪い。その後はさらに減水し、遡行を味わう歩きとなった。黒岩谷出合に赤のペイントがあったがそれとは分からずに、黒岩谷を求めて、サルガ滝手前まで着く。釣りの大休止とするが、20cm程度ばかりの貧果。allリリースで、サルガ滝を左岸から巻く。しばらく行くと吹沢谷出合に着いた。釣り部隊を本流上部に送り出し、蕎麦に取りかかる。まもなく良型を沢から抜き上げてくれる。すかさず刺身。ざるそばと共に滋味溢れる昼食となる。
遅めの昼食
吹沢谷に入り20分程度の所で絶好のテン場を発見。15時過ぎに荷を下ろし幕営。夕方明るい中で一杯やり始める。18時頃になって岩魚部隊が文句なしの釣果をひっさげ凱旋。喝采に迎えられる。刺身にタタキに骨酒、塩焼きと岩魚が弾けた夜だった。
骨酒用
ゆっくりした時間が流れる
狩猟班大活躍
明日も晴れだ
いつもの夜が来た
翌日も晴れ。長そうな行程を考え6時過ぎの出発。吹沢谷は左俣に入るとまもなくぼろい側壁を抱えた滝の登擧となった。
ボロ壁
7mほど岩を剥がしながら右岸をランナウト。そのままトラバースしてやはりボロイ連段4mを越えて後続を迎える。セカンドが来てすぐに上に控える5mを登り、パーティーが揃うのを待とうとするも上部を考えて2人で先行。上部で二俣かとしばらく追いついてきたみんなと逡巡。右のせこいルンゼ状の枝沢を一応調べるが、やはり違うようだ。本流筋をとり草付きの支配する4m、7mに出た。雪国の厳しさをかいま見せる草付き帯をやり過ごすと、ヤブこぎもほとんどなく稜線に出た。
最後のつめ
北又谷の一滴が始まる
尾安谷を下降開始。懸垂2回を終えた頃にはしっかりした流れになる。そこかしこを源流サイズの岩魚が走り始める。やはり遡行はこうでなくちゃ。二俣出合ではうかがい知ることのできないものすごいゴルジュを秘めてそうな下部に目を張る。左俣に入ってまもなくの滝手前で右岸にはい上がりすぐに鞍部に出る。コゾ谷への下降だ。ヌメったガレた沢に閉口しながらの下降となる。もういい加減うんざりする頃、連続する堰堤に出た。
イジメのような堰堤群
あっ車道だっ!
そこもじっと我慢の子でやり過ごし行きに通った車道に出た。あとは股ずれ男をあとにして重い足取りで小川温泉への車道を歩いた。
あとは小川温泉へ
行動時間
1日目 小川温泉―3:00―魚止の滝―9:00―テン場ミズカミ谷(ミズガキ谷)手前
2日目 テン場―9:00―吹沢谷
3日目 吹沢谷―11:00―小川温泉
遡行情報
○小川温泉は駐車代無料(温泉代は高いけど帰りは温泉を利用してあげましょう)
○小川温泉〜越道峠12000円(ジャンボタクシー)
○越道峠からの切り開きに調子に乗って歩いているとロストするので要注意
○大釜はヒールフック無しでも十分に越えられる。絶妙の仕掛けがあった。
○又右衛門滝を巻いてもできるだけ懸垂で谷に戻ることを勧める。北又の狭隘がそこに眠る
○ミズカミ谷(ミズガキ谷)手前には河原が開けテン場がある(大きな増水には耐えられない)
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