瀬波川
瀬波川
2000年 7月29・30日
なかむら 松居 ゆりわさび 榎本
紀州は鈍足台風の影響下。急きょ白山北部の沢にイワナを御馳走するべく変更。
とはいいつつ白山らしい沢とのこと。いかなる沢か。
結局、発達したゴルジュ・風にそよぐ草付き雪渓と雪国の渓をたっぷり味わった。
入会予定のなかむらさんも加わり、フレッシュな雰囲気。
晴天下ぼちぼち歩き出す。
(台風接近とは信じがたい晴天
北陸に逃げて正解だった)
(単調な渓相が続く)
地形図上の最後の堰堤にようやく着く。沢筋は跡形もない。
破壊したときはどんな流れだったんだろうか。
(堰堤の中央部はどこへ?)
(雪渓右手の大地状のところにウド林があった)
途中ウド・コゴミ・いらくさ(東北では「アイコ」ということを知った)を収穫する。
雪渓は真夏に山菜をもたらしてくれる女神でもある。
長い川原歩きの後、雪渓の登場と共に谷は陰惨に。
切れ込んだV字谷・ツルツルの側壁とどろどろの泥壁。これが白山の沢か?
メンバーのみんなに雪渓を感じてもらうべく、少し迷ったが大きな雪渓を越えることに。
帰りを考え、ザイルを残置。ごっつい倒木にビレーを取り、
雪渓にボラード(雪きのこ)で角度を変えて、懸垂下降する。
濁っていた沢もきれいになり、気持ちのよい遡行となる。
松居さんが反応する、「魚が走った」と。
いままでは魚影が全くなかったから釣れなくても言い訳ができると思っていたがだめになった。
早々とテン場を見定め、竿を片手に上流に向かう。川虫の鬼チョロを探し回り、針に掛ける。
良さそうな淵を物色し、エサを流す。いない。「今回も釣れないんかぁ。狼少年になってしまう」と思いながら、
次の淵へ。2投目にググッと魚信。27cm程の渓の精が掌中に。
塩焼きは確保と安堵し、次の鬼チョロを探して、次の淵で流す。
すかさずガツン。今度は手応えあり。30cmのイワナが谷間に踊った。
腕でなく場所で釣るのだ。刺身を確保し、一安心。
上流部もこの上ない渓相で魚を予感したが下る。
テン場を見定め直し夕餉に。刺身も塩焼きも美味だった。
次の日は下山。往路を下る。すぐにザイル残置地点に着く。
残置したはずのザイルがない。誰かに持って行かれたのだ。
(この右手が恐怖の泥壁)
心ない人がいるものだ。退路を断たれてしまった。帰路を求め、見回す。
草付きは行けそうであるが、高巻きに馴れてない人はどうだろうか。
灌木も少なく草付きの高巻きトラバース。
勧められないと思い、雪渓脇を登攀することに。
取り付いたが雪国の恐ろしさをたっぷり味わうことに。
3スッテプほど登り、ハンドホールドとして
目指していた草に手を出す。簡単にポキッと折れる。
そんな・・・。目指すは2m上の雪渓と側壁の間。が、ホールドはなく、
ステップも雪渓に磨き上げられたツルツルの側壁に薄く泥がのっているだけ。
最悪であった。まともなものは右足の外傾した泥の乗った2cmほどのス
テップ。右手は茎の折れた草の根をまさぐるようにソフトに鷲掴み(これわかるかなあ)。
左手はホールドのない左斜面をあきらめ、空をさまよっている。
左足を「なんとかなるべェ」と思い、ベアリングの上に足を乗せる。
もちろん下からは「もう落ちるで」とのアタタカイ声援。
子供の顔がちらつく。左足はずり落ちながら右足をワンステップ上げ、
雪渓の側部を横からはさむようにつかむ。
右足を徐々にずり上げ、左手を雪渓と側壁の間につっこみ、
そして肘をつっこんだ。雪渓と側壁の間に体を投げ出すようにする。「あ〜ごわがった」
メンバーを見やる。
こんな側壁二度ととりつかんぞと思いながらザイルを出し、雪渓を越え、川を下っていった。
多くのアブを引き連れながらの川旅でもあった。
休むと攻撃するアブ。アブは汗くさいのが好きなようだ。
瀬波川の教訓。やっぱり邪魔くさがらず、草付きは丁寧に登るべきか。
でも、ハーケンべた打ちは好きじゃないなあ。やっぱり巻き
ですか。登ればいいというもんじゃないんだけど。
(最後は暑くて飛び込んだ)
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