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神崎川本流遡行
            1998年  8月8・9日
      片山 松井 榎本
 渓流釣りで入渓していた時からの念願で、京滋では最も規模の大きい渓の神崎川を目指し、8月8・9日の一泊遡行に出かけた。
泊まりの沢ははじめてだ。
メンバーは片山さん・松井さん・私の三人で、ベテランメンバーのリーダーとして面はゆい気持ちだった。
交通も不便な所で出発点と到着点に車を置かなければならず(遡行の宿命か)、鈴鹿スカイラインに一台置き、神崎川奥に一台置いたため、7時に京都を出たのだが、入渓は10時45分になった。 

 準備後、装備を確認し、川に降りて行く。
取水口堰堤を巻き、入渓地点に着く。
晴れ間ものぞく雲天で、風もややあったが、思ったほど寒くなく、進んでいく。
大きな瀞が出て初泳ぎとなる。流れもあまりなく、楽な泳ぎで突破する。
片山さんがライフジャケットを持参されていたが、松井さんもザックピストンの合間に戻してもらい、ライフジャケットを借りての泳ぎとなる。
瀞を越えては河原歩きという連続で、暑いと感じる頃に泳ぎがあり、寒くもなく暑くもなくちょうどいい具合だった。
川はゴーロ帯で、川幅・水量共にあり、開放感に包まれながらの遡行となる。
結局突破できなかったのは、天狗滝と大瀞で水量が豊富で取り付きようがなかった。
途中からライフジャケットで意を強くしのか、片山さんが「トップ、行こうか」とおっしゃり、印象的だった。
松井さんは「泳ぎはそんなに嫌にはならなくなった」と何度かおっしゃっていたのは、
「けど、トップはせぇへんぞ」という意図か「泳ぎの沢にあんまり誘わんといて」という意図かは分からなかったが、
私は額面通り受け取らせていただき、「嫌でなくなった泳ぎのある沢」に快く(?)協力していただけるものと思っている。
初日はヒロ沢出合のテント場で泊にしたが、
ここから先のテント場が地図にある地点は遠すぎたし、
もう少し先にありそうではあるが、ないと大変なことになるので3時30分に行動をうち切った。
空は雲天になり、遠くで雷鳴も聞こえていたので増水が気になったが、河原より5mぐらい高い平地なので安心ではあった。
そばには小屋の残骸と焚き火の跡があり、魚があれば楽しい夜になると思いつつも、
魚影の薄い川を思い浮かべながら、設営に取りかかった。
物干しのザイル張りやら、夕食の準備、焚き火の火をおこしたりなどし、
夕食後、ビールやら日本酒やらで焚き火を囲んでのひとときとなる。
私は焚き火こそが渓登りの眼目のような気がしてならない。
焚き火を囲んで飲み、更けゆく夜を楽しみながら過ごす。本当に楽しいひとときである。
また、いまどき沢でなければ心おきなくできないだろう。
8時過ぎに小雨がぱらつき始め、火の処理などをして就寝となった。

(鈴鹿を思う存分体感した)









 起床は6時、雨はテント内でぱらぱらという程度だったので、きつくはなかったのだろう、
起きて見ると、川の増水もなく出発する頃には、ほぼ雨もやんでいた。
曇天の中、遡行を開始する。この日の核心部?ともいえる大瀞を目指す。
しばらく河原歩きをした後、大瀞につき、水量が多く無理とわかったが、片山さんが「泳いで滝の取り付きの様子を見てこようか」とおっしゃるので、お願いをする。

5〜6mのへつりと7〜8mの泳ぎで、狭くなっている滝壺の近くで「水流にのまれて足を引っ張り込まれそうになった。
ライフジャケットがあるから安心やった」とおっしゃる。
話の種に私も行こうかと思ったが、時間の関係でやめ、巻き道を行く。
巻き道の途中と大瀞の先によいテント場を見つける。
大瀞の先、40分後ぐらいの所にもテント適地を見つけ、今後の山行に生かせると思いながら、平川になりつつある川を進む。
このあたりから渓魚も散見し始めるが、小さく、とても釣る気にはなれないばかりだった。
上水晶谷に11時00頃着き、昼食をとる。
今後のルートを確認後、出発し、谷沢分岐に出るが、
いきなり水量の乏しい12〜3mの滝に出くわし、巻くことになり、赤テープに従って尾根に取り付く。
少しすると片山さんが右下の沢沿いに赤テープを発見したが、この尾根で間違いないということで登り続けた。
これが迷う原因だったのだろう、谷から離れるように尾根へ尾根へと追いやられ、ようやく鈴鹿スカイライン側に乗っ越す地点に到達したと思われたが、「おかしい、地図と風景が合わない」ということになり、取りあえず御在所方面に登れば沢田峠の分岐か武平への道に出くわすと思ったが、いっこうに道に出くわさない
。登っても登っても出くわさない。途中何度も地図で検討し、「これはおかしい」ということで再び下り返し、途中あった「沢谷峠→」のテープ表示の所で尾根筋から外れて鈴鹿スカイライン方面に藪こぎで降りることに決し、下笹の生えた滑る斜面を転びながら降りて行くと、なんと武平への道に出くわした。そこから谷沢沿いに下り、ようやくスカイライン着く。ここは車を止めて置いた所まで3〜4分の所だったので、迷ったわりにはまずまずであろう。
途中、温泉に入り、車の回収後、帰路についた。害虫は全くおらず、迷った尾根でメジロアブが「お前の顔忘れんぞ」と言わんとばかりじっと私の顔をにらみ飛んでいったのが印象的だった。
 後で、聞いてわかったが、沢谷の手前に尾根を挟んで沢地形の等高線が類似するように入っており、その迷い沢と沢谷の間の尾根を詰めたのだから道も間違うはずである。リーダーの初歩的ミスである。コンパスの確認を尾根上でしていればと悔やまれる。しかし、沢自体はいい沢であった。ブナの混じる広葉樹とよく見かけたキセキレイが印象的である。

 参考データ
入渓点10:45―3:30ヒロ沢出合 泊
ヒロ沢出合7:40−3:15鈴鹿スカイライン
 テント泊可能地 ヒロ沢出合・大瀞付近                           



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