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■2004年10月23〜24日
■乗鞍 池之俣御越谷右俣〜土桶池
■浅野・林・榎本

御輿滝から始まる高巻き後の連瀑はなかなかのもの。土桶池は閑静な針葉樹の中にひっそりたたずむ篤志家向けの池。ちなみに地元の自然観察員によると『御越』は「みこし」と読ませるとのこと。寒気の南下で予想以上の寒さに震えた2日間だった。

林道の崩壊と寒気の南下で計画が二転三転するが、結局は乗鞍の沢に。さて、朴ノ木平スキー場の定宿で寝酒も取らず睡眠起床後、池之俣御越谷の入渓点で身支度を整え、出発するが林道が予想以上に伸びており、まもなく、御輿滝に着く。

左岸から巻くが結構な巻きとなる。本命は右岸かも。御輿滝落ち口はナメの上を奔流が疾走。念のためにザイルで渡渉。
落ち口のナメを疾走する流れ
すぐ上の滝は手の出しようもなく、右岸から巻くがこれも嫌らしい。下りは笹伝いで意外にすんなり。溜飲を下げる。合計2時間近くの高巻きとなる。
  ここの巻きもしんどかった

すぐに優美な滝のお出まし。
水流左を時折灌木を利用しながら登る。シャワーで登るなんてとても考えられない水量と寒さ。その後も針葉樹と苔むしたゴルジュの滝を楽しく越えていく。この辺が見せ場か、さすが高橋さんのお勧めの沢だ。


    


どうやって巻こうかな〜

         

    唯一ザイルを出したところ



ゴルジュ帯を越え、ようやく幕場適地を発見。今夜の宿を確保する。整地・ツエルト張り・薪探し。夜の準備がつとにうれしい。今回はとにかく焚き火に苦労する。なんせ中2日はさんだだけで、雨台風はこの北アルプスに阻まれて消えていったのだ。たっぷり湿った薪も真打ち浅野さんによって火焔を上げた。とはいえ焚き火に近づかなければ暖が取れないほど熾きができない。ようやく安定した頃、酒も切れ、就寝となる。
翌朝、朝食後、出発準備。これが寒いこと寒いこと。柔らかいはずのスパッツは凍った一枚の板。解いた靴ひもはピント伸びたアラブ人の髭。シビレルなんてものじゃない流れに浸せばいつもの滑らかさ。指から伝わる冷たさで体はガチガチになる。濡れた(凍った?)沢装備を身につければ痛む指先に萎える気持ち。動いて暖めるしかない。出発だ。飛沫の凍った岩に時折足を取られながらも徐々に暖まる。左俣との別れはいきなり伏流。
凍ってる〜

水がないのは今日に限ればうれしきことこの上なしである。適当なところで尾根越えにかかる。目指すは尾根を挟んで東に隔てられた土桶池。さぞかしきつい笹こぎが待ち受けているのだろうと思いきや、日ごろの行いがいいのか、厳しい朝をやり過ごしたゴホウビか、下草さえまばらな針葉樹の中を登っていく。大当たりだ。私たちが登ったところだけイスラムの伝説の如く下草がなかった。
美しい尾根

慎重に下る

波紋ひとつない土桶池


すんなり稜線にあがる。土桶池の位置に目星をつけ、笹の藪尾根を下る。下りも快適とは問屋がおろしてくれない。読図を繰り返すが、やや下りすぎたようで、少しの修正で土桶池に着く。期待した澄んだ神秘の池とは違う薄褐色の濁った池だったが、針葉樹林に波紋一つなくたたずむ池は味わい深い。池の末端から落ちる流れを辿るように下山を始める。突如清冽な流れがわき出していたり、窪地に澄んだ池を見せてくれていた辺りまではいいのだが、伏流してからが悲惨。火山系の大きな岩が累積した中を下るのだが、むした苔の下にはクラックを潜ませ、時折踏み抜く。左右に逃げればうるさいブッシュ。いい加減閉口してきた頃、切れ切れの踏み跡に助けられる。長い長い伏流も最後まで水を見せなかった。出た道では五色ヶ原に抜ける自然観察の有料ガイドツアーにいくつも出会う。入山規制地らしく、やや渋い顔をされた。逃げるようにブナの混じる針葉樹を抜けて車に戻った。

遡行情報
○二俣手前にいい幕場
○池之俣御越谷へは予想以上に林道が延びていた




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