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■川迫川水系 弥山川(時間切れ中退)
■青山・榎本
下田山塊の沢に行く予定にしてたが、同行予定者の急のケガでヒマになることに。この好天のもと、パートナーとして思いついたのが、仕事をやめて暇な、大阪わらじ会の青山さん。彼女とは先日の海外遡行同人で知り合ったのだが、来年の台湾に同行することになり、9月の事前山行の大きな沢に同行する前に一度一緒に行きたかった。さて、弥山川自体は、空を飛ぶ鳥さえも確認できないほど高くそびえる側壁に囲まれる峻烈なゴルジュ。核心部は直線距離1250mの間に標高300m駆け上がる大峰主峰そばに突き上げる沢。登擧力が試される充実の大峰日帰りの沢。
水曜夜、青山さんとようやく連絡が取れる。沢キチの彼女は、先ほど台高の釜の公から帰ってきたそうだ。それでも沢に行きたいとのこと。すごいパワーである。PM23前に彼女は京都の自宅を出るとのこと。私の家の最寄り駅(滋賀・南草津)でピックアップすることになったのだが、行き先も決まってない有様。真っ先に浮かんだのが白山の蛇谷水系。早朝の林道歩きを余儀なくされる事を考えれば、今からでは厳しい。すでに地下鉄の駅に向かいつつある彼女と携帯であ〜だ、こ〜だとやりとりしながら行き先探し。彼女の行ってないところ、かつ、日帰りで手応えのありそうな所という条件から、弥山川に決まった。私もドタバタで、計画書を作り、文字通り荷物を車に投げ込んで出発。なんか忘れ物をしてそうだ。合流後、一路大峰へ。入渓点手前で就寝。台湾談義に花が咲く。泳ぎも予想されるため朝早くの出発は見合わせる。お互い弥山川の遡行図も持たず、記録も見たことがない。まあ、何とかなるだろうと、出発準備。そこで私がカッパを忘れたことに気が付く。ゴルジュ突破系の沢でカッパなしの上に遡行記録用紙も忘れた。デジカメはオーバーホール中でなし。記録が全く取れん・・・。
林道を降りて河原に出る。見えるのは砂地の河原。伏流しているのだろう。照りつける日差しの中、トボトボと河原を歩き、水流の出た先にある堰堤から入渓。汗をかく体をいきなりの泳ぎで引き締めるが、カッパのない朝一の泳ぎはチトつらい。トラバースで左上した彼女の後を何となく直上したら私は無惨にもドポン。いやはや情けないスタートである。ゴーロ帯を越えると出てきた滝は15mほどか。右岸から巻くと、滝が連なっており、まとめて巻く。2つ目の滝は20mぐらいはありそうだ。滝の落ち口をめがけて残置を利用して懸垂。降りた滝の落ち口にもボルトが3つある。撤退用の懸垂支点か。行く方向を見上げると高い高い側壁の中に岩が一杯詰まっている。なんかゾクゾクしてくる。ザイル回収後、ボルダリングよろしく、どんどん上がる。抜け口が若干ハングしたホールド豊富な感じの8mほどの滝でつまるが、私が残置ビナに惹かれてそこまで何も考えず登る。ビナのあるところまでは何でもなかったが、そこからがイケナイ。右にトラバースして行けば早いのだろうが、一歩が出ない。リスはあるので一枚打ち足せばいいのだが、打ち足すには狭いスタンスしかとれず、バランスを崩しそう。ザイルを下ろしてビレーを取ってもらい左にトラバースして登るが、だんだん壁も立ってきて、ホールド・スタンスとも細かい。壁上部のやや大きめの倒木は青々とした葉を付けているものの、つかむには信頼が置けない。倒木っぽい感じがする。スタンス・ホールドをじわじわ上げてクリアー。その後も大岩・小滝の乗越が続く。12時を越えたところで昼食。上流に目をやると高い側壁に石が詰まってハングしたCSになっている。ありゃ、どうしょうもないなぁと思いつつ麺を入れて早々にガスが切れた固いボリボリいいそうなラーメンをすする。昼食後、遡行を開始。15mぐらいの大きくハングしたCS滝に近づく。一見絶望的で、青山さんが「これはどうしょうもない」旨をつぶやく。巻くなら手前を右かなと退路を確認しておいてから滝に臨んだ。とにかく近づいてみよう。大きくかぶった滝の右下から、シャワーを浴びつつ左上し、くの字形に曲がるように右に水流を浴び続けながら登る。2段目テラスからは真っ暗だ。上を見上げるとCSの間から光がもれている。見上げるとシャワーで眼鏡をつけているためまともに見えないが、左のクラックにカムをつっこめば次のテラスには上がれそうだ。最後はつるつるの垂壁を2mほど落ち口のガバをつかんで右へトラーバースすれば落ち口の水流から突破できるだろう。ラインは見えた。右の垂壁にハーケンを一枚打つが半分も入らない。効いてるのを確認してアブミを掛けてのった。カムがしっかり噛んでいるのを確認して、アブミに乗り込み、左上するクラックにジャミングを決めて狭い三段目のテラス?に上がる。滝を塞いでいる小さい岩を除くと地獄の蓋をのけたかのように、光が差し込んでくる。が、まだえんま様の手中。CSにシュリンゲを通して振り子トラバースの支点に。これで突破の勝算がついた。トラバースをしようと右に目をやると頃合いの所に残置が。有り難く使わせてもらう。考えることは同じだなとほくそ笑む。所々開いている光を漏らす穴はガバ。落ち口のガバにぶら下がるようにして右へトラバース。落ち口に足が乗った。遂に突破。そこから後続の青山さんを引き上げる。彼女はもっと濡れそぼる2段目テラスで頑張って確保してくれた。かなり冷え切ったようだ。突破に約1時間使っただろう。振り返れば屈曲1つなくまっすぐ伸び上がってきた谷が眼下から落ちていた。側壁にはまっすぐ伸びる50m以上のクラックが何本も。飛ぶ鳥さえも確認できない高い側壁に囲まれたゴルジュ。こんな谷は初めてだ。それから谷を上がると双門の滝に出た。時刻は15時過ぎ。エアリアによればまだ大きな滝はありそうだがこれで時間切れ。左のルンゼから大きく巻き上がり、登山道を探し当てた。そこから驚くほどのはしごでつなげられた登山道を下って、いい加減暑くてどうしょうもなくなったころ、一の滝に出た。ザックを置き、水を飲みに滝そばの流れに向かったが、彼女は違った。15mほどの一の滝の真下に入り、滝に打たれているではないか。いやはや。私もそれに続き、クールダウン。落ち来る滝にコップをさしだし、水を求めた。
出発8:30〜15:15双門の滝遡行打ちきり〜16:20登山道〜18:40車デポ点
遡行情報
○洞川 天の川温泉は20時閉館
○ブヨが意外に多かった
メール トップ 遡行した沢
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