雪渓
沢登りの恐さって何でしょうか?ゴルジュの中にかかる滝ですか。それなら泳いでとりつき突破も可能かもしれません。がちゃがちゃいわせていた金物の類が力を発揮するまもしれません。それでは、ゴルジュの雪渓はどうでしょう?恐いものの一つですね。いつ崩れるかわからない何千トンもの雪渓。数時間前にあった雪渓が崩れていたりしますから、先人の記した遡行図は、こと雪渓に関しては役に立ちません。むしろ、判断を鈍らせることさえあるでしょう。
数年前、豪雪といわれた年に梅雨明け直後の谷川岳万太郎谷を遡行しました。一ノ滝手前数百メートルから三の滝まで膨大な雪渓が覆い尽くしていました。私が見た先人の記録に問題となる雪渓マークはどこにもありません。テン場はどこにもなく、枝沢の出合で晴天を信じて星を眺めながら一夜を明かしました。雪渓の崩壊音を何度も聞きながら眠るのは恐ろしかったのをよく覚えてます。まちがいなく雪渓は渓を支配する八百万の一神でしょう。その神さんの機嫌を損ねないように様子をうかがいながら遡行しましょう。そうすれば恵みを施してくれます。そう、山菜です。真っ白の上物のウドなんて最高。そのままかぶりついてしまいまね。雪渓脇は山菜の宝庫。神さんの機嫌を伺いながら1人ずつ雪渓を小走りでくぐり抜けたり、びくびくしながら上を歩いたり。いつでも大切に扱いましょう。機嫌を損ねたらおしまいですから。
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