白川又川 右又(八経ヶ岳至近ルート)
梁瀬 竹井 榎本
2003.8/2〜3
清冽な下流部、ツメの急峻さを持つ上部と桁外れの側壁。山の深さ、険しさは国内有数のものではないか。日本屈指の雨量が深く刻み込んだ渓谷をもう充分ですとばかりに堪能してきた。
入渓直前まで38度後半の熱風邪で苦しみ、約束の手前何とか入渓点に向かった。熱ボケは否めなかったが時間と共になんとか回復。さすがに完調とまではいかず、キレのなさを感じながらの出発。崩壊の多いフジノトコへ至る林道の終点近くで準備を整え、出発。林道終点から忠実に尾根沿いに下降する。踏み跡のとぎれた所にはだかる岩場は左をトラバースすると、踏み跡が復活。途中で尾根を左に取ったようで、支流中ッ又に降りてしまう。少し下降し、出合に着く。懸垂で直接釜に降りるが、水は冷たい。噂通りだ。
本流出合
冷たいねぇ
本流遡行開始である。透徹した流れ、釜、ゴーロの織りなす美しい中を遡行していく。梅雨明け直後の暑い盛りのはずなのに寒いことこの上ない。だが、とにかく水の美しい沢だ。白川又川の名前通りの底まで見える流れを見せる。トップはアマゴを蹴散らしながらの遡行。私と言えばふらつきながら沢登り初心者の気分を味わっていた。
泳いで歩く。。。
白川又川のラジオラリア??
泳いでばっかし
高巻き後のクールダウン
やはり高巻きでのウエットは大変なようだ
しばらくすると狭まったゴルジュの奥に赤い壁が現れ、白川又川のラジオラリアといういい加減な言葉に感心しながらも進んでいく。大滝跡と言われる残骸のある8mを右の水際から越え、落ち口でトラバース。メンバーの動向に注意を向けたい所。水晶谷出合を越え、大休止とする。冷麺をやろうとお湯を沸かすが、メンバーが他を制してまで持ち込んだガスヘッドの火力が弱い。10分経っても沸く気配なし。本人はこんなモンとうそぶいていたが、彼がガスヘッドの連結が悪いとか言ってねじった途端、ナゼかパーツの一部を残して外れる。ありゃリャ?有り体に言えば壊れたのだ。火器無しの遡行を直感する。動揺もあるんだろう、無理矢理ガンガンやって力ずくで直そうとしているが、冷静に傍観する私は「マア無理やな」と早々に見切りをつけ、釣りに興じるメンバーをホイッスルで呼び戻しに行く。その後もまだガンガンやっていた。困ったモンだ。私のガスカートリッジまでつぶす気かと思いながら、出発することに。

今日は晴れそうだし、焚き火もできそうだからと遡行を継続。火器無しなんて沢ならではであろう。さて、泳いで取り付く淵に掛かるCs3m滝を渋い登りで乗り越え、しばらくすると水量も減じてくる。水も翠色を帯び始め、水温も上がってきた。支流を分けたわけでないので、地下水だろうか。それならあの冷たさも納得できる。見事な20m滝は少し戻って右岸のルンゼを上がるが崩壊激しく、神経を使う。また、しばらく進むと口剣又と奥剣又の別れに達した。右手から水量の減じた20m滝を奥剣又谷が落としている。その飛瀑にうたれて梁瀬さんは煩悩を落としていた。これで毒舌もやわらぐか。
落ちろ、煩悩!
もう少し打たれてればよかったのに、、、
休んでいると、出合上部で幕営準備をしている人に気が付く。ML上でお世話になっているTさんとわかり、ご挨拶。時間も迫っているので、話もそこそこに、出発。私たちは奥剣又のもう少し上にある18m滝近くで幕営予定。この頃から午前中にひねった膝が悲鳴をあげはじめる。幕場に着く頃にはひこずるほどだった。ふんだんにある薪!飯の炊ける幕場で、快適な夜を過ごす。

幕場そばの滝
ご飯は食べられそう
翌日はまだ膝の痛みが治まらず、遡行が思いやられた。ただ昨晩のように引きずる程でなくなったのは幸いだ。15m滝は左岸を手前から小さく巻き、40mの滝はホールドも豊かで水流左岸から流れをトラバースして右岸をフリーで登る。
ホールド豊かな40m滝。フリーで登る
高度を上げる共にCS滝が現れる。ガレたぼろぼろの滝にである。もはや沢筋は崩壊の激しい狭いルンゼと変わらず、落石におびえて、越えても越えても出てくるCSにいい加減うんざりしてくる。CSではないが5mのいやらしい滝は流れをもろに浴びて右岸から左岸に取り付き落ち口へ。
シャワークライム
振り返ると沢なのかルンゼなのか。。。
大きなCS7mでは途中、ザックをCSの下に残して登る。
30mザイルがいっぱいに伸びたところで大きな木で支点がとれた。ここは泥の多いところで、草の根っこに指をつっこんでの登りだった。しばらくすると稜線も間近になるが八経ヶ岳を実感する岩峰群が目に入る。最後はCSを嫌い左岸の尾根(ヤブ)に向かっていた獣道に誘われて入る。しばしのヤブコギ。まもなく苔の絨毯の中を導かれるように登山道に出た。そこから歩くこと2分。ピークに立つ。ねらい通りに遡行できたようだ。頂上でまたまたTさんらと会い、歓談。ピークを後にする頃ガスも晴れ始める。あとは登山道で楽々と下り降りた。膝の方も何とかごまかしながらではあったが、下山できた。なかなか充実の山行であった。
八経ヶ岳(Tさんパーティ)
白川又川は一般的には左又を行くようだ。記録でも滝はこちらの方が多いようだったのであえて本峰近くに上がる右又を選んだ。40m滝を越えてからはガレた気の抜けない登りが続くのでしっかりした登擧技術が要求されるだろう。
装備 ザイル40m
ナッツ 1回使用
カム(小さいものばかりでなく、2あたりも使えそう)
ハーケン(使用せず。残置は見かけず)
ハンマー(共同1つでいいだろう)
アブミ 持ち込まず
一日目 車止め9:10-10:05中ッ又谷-11:32本流出合-16:12口剣又谷出合-16:5418m滝下幕場
二日目 7:08-14:18八経ヶ岳ピーク-16:51車デポ点
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