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八久和川

                                 2003.8.13〜16
榎本 森(日本山岳会青年部) 竹井(海外遡行同人) 

 直前で中村さんが仕事でキャンセルとなり、3人での山行となる。遡行対象として黒部上廊下をしのぐ日本最長の八久和川。5級の沢だが、このために池郷川ゴルジュ核心部、白川又川右俣を登ってきたのだ。突破する自信は十分にあったし、実際技術的な不安感は全くなかった。4泊のところを3泊で抜けた。

 長岡で東京の森さんと落ち合い、約9時間後に八久和ダムにたどり着く。仮眠後、装備を分けるが、共同のガスカートリッジを忘れた者がいた。4泊でガス1個はきつい。焚き火利用でできるだけ早く沢から抜ける方針に変更。川沿いの杣道を利用して距離を稼ぐ。フタマツ沢出合先で渡渉するが、広い川幅とうねる水量に驚く。
フタマツ沢出合上部の渡渉

右岸に渡渉し再び杣道利用で進む。すばらしいブナ林。奥美濃とはモノが違うすばらしい東北のブナ。
    大人二人でも抱えきれそうもないブナ

次第に踏み跡も不明瞭となり、沢に降りる。渡渉点を見出すことさえ難しい水量。台風10号の影響か、約10cmほどの増水。飛び込みやスクラム渡渉で厳しいゴルジュをしのぐ。川は開けたが、20mはある川幅に腰上までの水がみなぎっている。こんな川は初めてだ。
厳しいへつりが続く

             

    東北の大河!!

渡渉・へつりなどを繰り返し、小国沢出合で幕とした。途中イワナを見たのだが、竿を出すヒマはなく、幕場の近くでするも、貧果に終わる。星の瞬く中、骨酒を痛飲し、1日目を終えた。夜半ヤブ蚊の猛攻を受ける。

2日目、予報通り雨を予告する曇天。7時前からいきなり泳ぎ。
巻いては

泳ぐ(大ハグラ石滝)




大ハグラ石滝は泳ぎとヘツリで越える。水量はなかなか減らず、渡渉点を見出すことが難しい水量。
  ええい、飛び込んでしまえ!!

むむ、流れが強いゾ


現在地はどこだ?

自然プール手前の大きな淵では左岸をきわどく高巻き気味に越えていく。初めてザイルが欲しかった所だ。落ちれば20m下の激流に吸い込まれ、岩魚のエサとなる。ほとんどの人は大きく高巻いているようで踏み跡はない。突っ込み精神の高い森さんに促され私が行く。逆層に乗った泥を落としながらスタンスを進め、最後は思い切って激流の上に体を投げ出すがザックに振られそうになるのを踏ん張り、逆層泥壁をステミング気味で越えた。

水量は少し落ちたが渡渉は厳しい

また泳ぎかよ、、、

いつになったら水量は落ちるのか?!


とうとう雨も降り始める。登山道が横切る岩屋沢近くで多くの釣り師に出会う。イワナで有名な八久和川も釣り師の竿で無惨なのもになっているようだ。さしもの八久和川も10本以上の支沢を分ける頃には水量を減じ、出谷川と名を変える頃には愛知川の神崎川程度になっていった。さてついに八久和川の象徴呂滝を右岸から巻く。    
               
呂滝


  滝の落ち口をジャンプ!

湯ノ沢を越えた右岸に絶好のテン場があった。小雨の降り続ける中、焚き火をおこして暖を取る。今日は蚊はいなかった。シュラフカバーだけでは寒さがしみた。


3日目
今日も雨。一晩中降り続けた雨で川も増水。今日が核心というのに。
ガラリと変わる川筋

         中俣手前のゴルジュ

取り付けなかった5m滝
いよいよ核心部中俣に入る。初めの5m滝は増水で取り付けない。雨でさらに増水した上に濁りだしてきた。左岸から小さく巻く。続く3m滝は流水中のリッジになっている中央右を登る。右に落ちたら渦巻く出口のない釜で危険な所だった。流水中のリッジを登る

落ちたらヤバイ出口のない釜

中俣の基本的な渓相

泳いでは取り付くを繰り返して歩みを進めていく。雪渓があるのだろう、とても冷たくかなり濁ってきた。
まだまだ泳がされる

手の付けられない15m滝に出る。ここは右岸を大巻とのこと。しかし、記録にある取り付くルンゼまで増水で進むことができず、さらに手前のリッジかさらなる大高巻きとなる。3時間近くの大高巻きとなった。
高巻く予定のルンゼまで行けない

高く巻き上がっているでしょ? 

           あの滝のために。。。

記録ではここから流水の中を楽しみながら登るとあるが、とても無理。右岸の草付きをできるだけ低く巻く。


       増水した手のつけられない滝たち
普段はいけるらしいが・・・




      雪国の美しい滝
直瀑8mは左岸を巻き、ルンゼから降りる。

    巻くのも一苦労


前方に険悪な雪渓が姿を見せた。今年は多いとは聞いていたがここまでとは。谷を埋め尽くしながらも崩壊しかかっている。
落ちるなよ!

  
雪渓に乗り、雪渓をヒヤヒヤもので渡る。雪渓先端下では文字通り一気呵成の激流。先端から1m弱ほどをエイヤッと飛んで、リッジに飛びつく。
飛べ!崩れるな!!

谷を埋め尽くす雪渓


いつ崩れるか分からない舌端にできるだけ足を進めて飛ぶのは心臓に悪い。後続を待っていると、前方のS字雪渓の中間部が轟音と共に崩れる。水煙巻きあがる雪渓につっこめるはずもなく。右岸から大高巻きに。先ほどのよりきつい高巻きにメンバーもバテ気味に。20m5段滝の枝沢を大きく巻き上がった所で15時前。ふ〜、水が飲める
コースタイム的には可能性はあったが、精神的に参ったメンバーを連れてつっこむのは危険と考え、枝沢を慎重に読図し、稜線に巻き上がった。
稜線だ〜

後は登山道に導かれて狐穴小屋に着いた。八久和川の遡行を終えたのだった。残り少なくなった酒をなめるように飲む。小屋は温かった。

4日目は絶好の好天のもと、7時間半をかけた下山となる。お世話になった狐穴小屋
狐穴小屋はすばらしい小屋ですよ!!
宿泊料1500円ナリ

好天下の以東岳と小屋


長い下りに安らぎをくれるブナ

もう歩かなくていいんだ
ここからヒッチハイクで大鳥に出て、タクシーを呼び、車の回収に向かった。


その晩は新潟村上市まで移動し、日本海の幸でしたたかに酔った。


13日 入渓7:01-10:17フタマツ沢-13:07カクネ沢先入渓-16:19小国沢(幕)
14日 小国沢6:10-7:48大ハグラ石滝-15:16呂滝-16:22湯ノ沢出合上部(幕)
15日 湯ノ沢出合上部6:28-7:29西俣沢-13:27S字雪渓手前高巻開始-14:525段20m滝の枝沢上部-16:35稜線-17:26狐穴小屋
16日 狐穴小屋6:10-10:45大鳥池タキタロウ小屋-13:02泡滝ダム


情報もろもろ
○アブは長沢先あたりまで少々(ネットをかぶるほどではなかった)
○蚊は湯ノ沢ではいなかったが小国沢ではすさまじかった(蚊取り線香携行をお勧めします)
○連瀑帯ではブヨがうるさかった。ビレー中、左目尻ばかりを5カ所もやられお岩さんに。要注意!
○落合ハイヤー 0235-53-2121 
○大鳥〜八久和峠〜八久和ダム 9300円

○2003年8月現在で月山ダムから八久和ダムへは土砂崩れで進入不可
○日暮小屋から出るバスは完全予約制で役場のバスのため、お盆・日祝は運行しないとのこと


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